食品産業の「今後輸出に取り組みたい」割合が上昇

 日本政策金融公庫が発表した「食品産業における輸出の取組み状況に関する特別調査」結果(有効回答数2384社)によると、食品産業における輸出(輸出向け製品の製造や海外への店舗展開を含む)の取組み状況は、「既に取り組んでいる」(27.2%)、「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」(24.8%)となった。「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」の回答割合は、前回調査(2022年上半期)から3.6ポイント上昇している。

 輸出の取組み状況について、食品製造業の品目別では、「既に取り組んでいる」の回答割合は、「酒類」(82.6%)で最も高く、次いで「調味料」(53.1%)、「飲料」(46.3%)、「油脂」(41.7%)、「水産食品」(39.7%)の順。「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」の回答割合は、「冷凍食品」(40.0%)で最も高く、次いで「農産保存食品」(35.8%)、「水産食品」(33.5%)、「炊飯・そう菜」(30.8%)の順となった。

 輸出に「既に取り組んでいる」と回答した先において、全体売上高のうち輸出関連の売上高が占める割合は、食品製造業、卸売業とも、「5%未満」の回答割合が最も高く、次いで、食品製造業では「5%以上10%未満」(26.6%)、「10%以上20%未満」(15.9%)の順、卸売業では「10%以上20%未満」(23.6%)、「5%以上10%未満」(18.0%)の順。食品製造業の品目別では、「5%以上」の回答割合は飲料(67.7%)が最も高い。

 輸出に既に取り組んでいる企業の輸出対象国(地域)は、「香港」(51.2%)の回答割合が最も高く、次いで「台湾」( 50.9%)、「北米」(46.3%)の順。今後新たに開始もしくは拡大したい輸出対象国(地域)は、「北米」(28.5%)の回答割合が最も高く、次いで「中国」(22.6%)、「台湾」(21.9%)の順となった。今後新たに開始もしくは拡大したい輸出対象国(地域)は、「インドネシア」や「インド」などへの広がりが見られる。

 輸出に既に取り組んでいる企業が、輸出を行うメリット(3つまで回答)は、食品製造業、卸売業とも、「販路開拓・拡大による売上・利益の増大」、「市場の多角化によるリスク分散」、「需給調整による国内相場の維持・安定」が高くなった。また、輸出における課題(同)では、食品製造業、卸売業とも、「輸出を任せられる人材の育成」が最も高く、次いで「外国語対応」、「現地の法律や商習慣情報の不足」の順となった。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_231026a.pdf