日本のChatGPT、利用者の多くが肯定的な評価

 野村総合研究所が発表したレポート、日本のChatGPT利用動向によると、米国OpenAI社が2022年11月30日に公開した生成型AI「ChatGPT」は、公開2ヵ月後の2023年1月には1億人を突破したと言われている。ちなみに、これまでの主要SNSをみても、ユーザー数1億人に到達したのはTikTokで9ヵ月、インスタグラムは2年4ヵ月かかっていることから、ChatGPTの浸透スピードがいかに早いかが分かる。

 日本の利用状況をみると、日本からのアクセス数は、4月中旬には746万回/日に達し、その後は横ばい/微減傾向にある。また土日のアクセス数が急減することも特徴で、現時点では休日に何かを聞くような存在ではないということになる。他国と比較してみると、Openai.comへの国別トラフィックシェアは、1位「米国」(10.6%)、2位「インド」(9.0%)に次いで、「日本」は3位(6.6%)と上位にいる。

 野村総研が、2023年4月15~16日にかけて、関東地方在住の15~69歳を対象に実施したネットアンケート調査によると、ChatGPTの認知度は61.3%、実際に「利用したことがある」人は12.1%だった。性別では特に男性の比率が高く、認知率では70.9%(男性)対50.9%(女性)、利用率でも17.7%(男性)対6.2%(女性)と大きな差がみられた。年齢別にみると、10代~30代の男性の利用率が20%を超えていて最も高い。

 職業別の利用度合いをみると、「学生」(21.6%)と「教職員」(20.5%)の利用率が20%を超えて最も高く、教育関係者の利用が高いことが分かる。教育関係者の次に利用率が高いのが「会社役員」(17.2%)、「会社員」(16.7%)、そして「自営業」(14.5%)が続く。最も利用率が低いのは「パート・アルバイト」(2.4%)や「専業主婦」(4.1%)だが、「医師・医療関係者」も5.3%とかなり低かった。

 アンケート調査では、実際のChatGPT利用者の88.7%と9割近くが継続して利用したいと回答。つまり1度でも利用すると、かなりの確率で継続利用したいと感じていることになる。今後も利用したいという回答者からは、「面白い」、「仕事が効率化できる」、「仕事の時間が短縮できる」といったコメントが寄せられた。利用者の一部は懸念を表明しているが、現時点では日本人の利用者の大半がChatGPTに対して肯定的な意見を表明している。

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https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2023/cc/0526_1