9割以上の家計が「昨年以上に物価高の影響を実感」!

 明治安田生命が発表した「家計に関するアンケート調査」結果(有効回答数1620人)によると、「物価高の影響を昨年以上に感じる」と回答した人は9割以上(93.9%)となった。多くの家計に物価上昇の波が押し寄せているようだ。最も影響を感じる費用は、「食費」(50.5%)、「光熱費・水道代」(41.4%)が太宗を占める結果となり、日々の生活に大きくかかわる項目に特に影響を実感しているようだ。

 物価高への対抗策(複数回答)は、トップが「電気をこまめに消す」(52.5%)、次いで「エアコンの設定温度を調整する」(39.5%)だが、一方で、「食卓の品数を減らすようにしている」は15.1%にとどまった。小さな節電努力で物価高に対抗するも、日々の食費は削りにくいようだ。昨年と比べて支出が増えた世帯は約4割(37.5%)。ひと月あたりの増加額は、「食費」が1万9661円、「光熱費・水道代」が1万5702円にのぼる。

 20~50代の人の昨年同時期と比較した収入の増減は、17.8%の世帯が「増えた」と回答し、昨年(14.0%)から3.8ポイントの増加となった。収入が増えた理由のトップは「賃上げ等により給料が上がったため」(42.3%)と、約半数が賃上げによる収入増加を実感している結果となった。今年の春闘では例年以上に賃上げ気運が高まっており、今後も増加傾向が続くか注目される。

 また、パート・アルバイト(自身もしくは配偶者)の人のうち、「今よりもっと働きたい(または配偶者に働いてほしい)」人は約7割(70.7%)と、物価高の影響などにより、働いて収入を増やしたいという意欲が上昇している。一方で、今よりもっと働きたい人のうち、「年収の壁」を理由に働けない人は約6割(58.4%)と、一定の所得を超えると税金や社会保険料が発生して手取りが減る「年収の壁」が働く意欲の壁になっている。

 世帯の貯蓄額は平均1478万円で2年連続増加(2022年は平均1408万円、2021年は平均1339万円)。貯蓄目的(複数回答)は、トップが「老後のため」(62.8%)、次いで「いざという時のため」(56.6%)と、先行きへの不安が垣間見える。貯蓄方法の割合は、「銀行預金」が最も多く(74.3%)、「投資」は約2割 (19.2%)にとどまるなど、投資へのハードルは依然として高く、「投資」へシフトしていくことの難しさがうかがえる。

 老後の生活に「経済的な不安を感じる」と回答した人は約8割(81.6%)。特に、30代以上の女性の約9割が不安を感じている。不安を感じる理由(複数回答)のトップは「十分な金融資産がないから」(61.7%)、次いで「物価高が続くと思うから」(53.9%)と、物価高が老後の不安にも影響か。なお、夫のおこづかいは3万5552円と昨年から2117円アップし、2年連続増加したが、コロナ禍前(3万7774円)には届かず、夫の我慢の日々は続く。

 同調査結果は

https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2023/pdf/20230424_01.pdf