「インボイス制度負担軽減措置のよくある質問」公表

 インボイス制度がいよいよ本年10月からスタートする。しかしインボイス発行事業者の登録申請件数は依然として約200万件(2022年11月末現在)にとどまっていることなどから、2023年度税制改正(案)ではインボイス制度の円滑な移行に向けた負担軽減措置が手当てされている。こうしたなか、財務省はこのほど、「インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答」を公表した。

 設問は全21項目。今回の改正で見直される、小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)、一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)、少額な返還インボイスの交付義務免除、登録制度の見直しと手続きの柔軟化について、解説を交え回答している。特に、今回の見直しの中でも注目度の高い2割特例については7項目の設問を設定している。

 2割特例は、対象者、期間、手続き、翌年以降の継続適用の可否のほか、インボイス制度の施行前に課税事業者となった場合の適否なども盛り込まれている。例えば、免税事業者である個人事業者が昨年12月にインボイス登録申請と消費税課税事業者選択届出書を提出し、今年1月から課税事業者となったケース。この場合、インボイス制度の施行前の期間を含む2023年分の申告については、2割特例の適用を受けられないこととなる。

 ただし、その課税期間中に課税事業者選択不適用届出書を提出することで、その課税期間から課税事業者選択届出書の効力を失効できるため、本例では、2023年1月~9月分の納税義務が改めて免除され、インボイス発行事業者として登録を受けた2023年10月1日~12月31日までの期間について納税義務が生じることとなり、その期間について2割特例を適用することが可能となると説明している。

 また、「免税事業者だが、登録申請書とともに簡易課税制度選択届出書も提出した。この場合、2割特例は適用できないのか」との質問に対しては、「2割特例は、本則課税と簡易課税のいずれを選択している場合でも、適用が可能だ。そのため、簡易課税制度の適用を受けるための届出書を提出していたとしても、申告の際に2割特例を選択することは可能だ(簡易課税制度選択届出書を取り下げる必要はない)」と回答している。

この件は

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/qa_futankeigen.pdf