防災・減災投資促進税制の計画認定が1万件超えに

 中小企業庁はこのほど、中小企業防災・減災投資促進税制(特定事業継続力強化設備等の特別償却制度)の適用要件である事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画の認定件数が、今年6月末現在で1万件を突破したことを明らかにした。同税制は、中小企業等が自然災害に備えた事前対策を強化するための設備投資を後押しするため2019年度税制改正において創設されたもの。

 中小企業等経営強化法の認定を受けた中小企業者等が、2019年7月16日から2021年3月31日までに、その認定に係る事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画(認定事業継続力強化計画等)に記載された1台(又は1基)が100万円以上の機械装置及び30万円以上の器具備品、一設備が60万円以上の建物附属設備を新たに取得等して事業の用に供した場合に20%の特別償却を受けることができる。

 具体的な設備としては、自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有する減価償却資産のうち、機械装置では、自家発電機や排水ポンプ、制震・免震装置、浄水装置、揚水ポンプなど、器具備品では、データバックアップシステムや照明器具など全ての設備、建物附属設備では、自家発電設備、変圧器、配電設備、照明設備、貯水タンク、火災報知器、スプリンクラー、消火設備、防水・防火シャッターなどが挙げられる。

 例えば、中小企業者が、水害からの早期復旧を果たすため、止水板や排水ポンプなどの設備を導入、また、地震発生時にサーバーがダウンしないよう、制震ラックや非常用発電機を導入するケースがある。これらの取組内容・実施期間、防災・減災設備の内容等を記載した「計画」を策定し、経済産業大臣に申請して認定を受け、所轄の税務署に税務申告すれば税制の優遇措置が受けられる。

 中企庁によると、認定件数は今年3月までの2019年度で5929件(うち25件が連携事業継続力強化計画)となっていたが、最新の6月末現在では1万451件(同41件)となり、1年弱で1万件を超えた。また、地域別では、「関東」が3779件(同20件)で最も多く、以下、「近畿」2194件(同6件)、「中部」1437件(同6件)、「九州」996件(同3件)、「中国」853件(同2件)、「四国」487件(同1件)などとなっている。