今年の新入社員は「仕事のスキルや知識の習得」重視

 リクルートマネジメントソリューションズがこのほど発表した「2019年新入社員意識調査」結果(有効回答数1178人)によると、働いていく上で大切にしたいことは、昨年まで不動の1位だった「社会人としてのルール・マナーを身につけること」(42.2%)に代わり、「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」(43.8%)が1位となった。仕事の成果に直接つながるものを身につけることをより強く志向するようになっている。

 働きたい職場に関しては、1位は「お互いに助けあう」(60.4%)ことだった。その助けあうイメージとしては、調査結果を分析すると1つの目標や決め事のもとで鍛えあいながら一丸となって進んでいく“集団的な助けあい”ではなく、互いの個性や特徴を認め、それを生かし合いながらあたたかい雰囲気のなかで仕事を進めていく“個性尊重型の助けあい”をイメージしているようだ。

 上司に期待することでは、「相手の意見や考え方に耳を傾ける」(49.2%)がトップ、次いで「一人ひとりに対して丁寧に指導する」(44.8%)、「好き嫌いで判断しない」(34.5%)、「仕事に情熱をもって取り組む」(29.1%)が続いた。仕事に情熱を持つ上司を理想とするものの、その“情熱”が意味するところは、「仕事がバリバリできる」(11.8%)や、「周囲を引っ張るリーダーシップ」(16.7%)ではないことが明らかになった。

 身につけたい力では、「コミュニケーション力」(59.7%)、「専門知識」(35.6%)、「プレゼンテーション力」(30.3%)が上位に挙げられた。必要な専門知識やスキルを身につけて活用することに意識が向いていることがうかがえる。受入側としては、関心が低くなりつつある「マナー」や「交渉力」などのスキルについても意味づけて実践機会を与えられると、ビジネスパーソンに求められる能力をバランスよく開発していけるとみられる。

 仕事・職場における不安では、「仕事についていけるか」(61.6%)、「先輩・同僚とうまくやっていけるか」(38.7%)、「自分が成長できるか」(32.9%)などが上位に挙げられた。終身雇用という概念が薄くなっていることはもちろん、リーマンショック後に採用を控えていた時期と比較すると、現在は「第2新卒」、「パラレルキャリア」という言葉が定着しているように、同じ会社で成長し続けることを想定していない世代といえる。

 同調査結果は↓

https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000269/